ノベル
□叶わぬ願いと知りながら
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「もうここまではこないよね?」
僕は邸から逃げてきた。
別にあそこが嫌だとか そんなんじゃない。
ただ、
「ごめんなさい、僕にはやりたいことがあるんです。」
僕は噂に聞いた物を探すために邸を出てきた。
もちろん、夕御飯までには帰るつもりだ。
お腹すいちゃうしね。
「くそっ、あいつ、何処に行きやがった?」
俺は一応主人であるモヤシを捜している。
言っとくがモヤシと言うのはもちろん、本名ではない。
あいつが白くてひょろひょろしてやがるから俺がつけたものだ。
まぁ、そういうと
「モヤシじゃないです!!」
とか言って顔を真っ赤にさせて反論してきやがる。
ま、それはそれで可愛……って今はそんなコト関係ねぇ!!
……つか、可愛って……
「俺は何を考えてんだ!!///」
「そうだよぉ〜、神田君。」
この声は……
「コムイ!!?」
悔しいことに俺が思考の海に沈んでしまっていた間に出てきやがったらしい。
「やぁ、こんにちは、神田執事長さん?」
「相変わらずだな、コムイ先生殿?」
そう、こいつはコムイ・リーといって俺の主人の学問と専門医をしている。
「君も相変わらずみたいだね。」