ノベル
□双
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ボクらはずっと一緒。
生まれた時も場所も顔も
勿論、
心も
ねぇ、一緒でしょ?
ボクの
ボクだけの
「アレン」
【双】
ボクとアレンは何時も一緒。
歳を重ねていくぶんだけ
想いが
絆が
深くなっていく……
そうだと思っていた。
「ねぇ、アレン。」
ボクとアレンは一卵性の双子。
体の作りも声も似ているほど。
「どうしたんですか?Allen?」
でも、違うところもある。
兄であるアレンには左目には疵があり、左腕は火傷をしたように赤黒い。
「んー、あのねぇ、」
普通ならそれが原因で嫌われたりするんだろうが、アレンは人が良く、可愛らしいし、優しいから嫌われるどころか皆に好かれる。
ソレはボクの誇りでもあり、また、嫉妬の種だったりする。
「今度の土曜日、文化祭に行かない?」
特にすることもないし、折角の文化祭シーズンだ。
どうせなら、デートをしようじゃないか。
まぁ、アレンはそう思っちゃいないけど。
「いいですよ。何処のに行きますか?」