ノベル
□哀しい歌
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「もぉ行くのぉ〜?」
「えぇ。怪しまれるといけませんから。」
「ちぇ〜。せっかくアレンと遊べると思ったのになぁ〜。」
「ごめんなさい。ティキいじりも程々にね、ロード。」
【哀しい歌】
「神田、もぅ寝てるかな?」
「俺がどうしたって?」
「な、何で起きてるんですか?!」
今は深夜2時。
化学班の人たちでさえ寝ているみたいだ。
なのに、
「待ってたからに決まってんだろ。」
「待って……た?」
「あぁ、お前が帰ってくんのを待ってたんだよ。」
冷血漢で有名な神田が待っていてくれたことは嬉しい。
嬉しい……けど、
「何かあったんですか?待ってるなんて君らしくない。」
僕の帰りが遅いときは勝手に部屋に入っているのがいつものこと。
なのに、今日だけは違う。
神田は喉でククッと笑って
「「何かあったんですか?」じゃねぇだろ?……何かあったのはテメェだろうが。」
冷たい目で見られることはこの関係になる前で、恋人って言う関係になってからはそんなことはなかった。
けれど、今の彼は……
「何してたんだよ?こんな時間まで。」
違う。
違ウ。
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