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□生意気な後輩
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「おはようございます、モヤシ先輩。」
僕の学校生活はこの生意気すぎる後輩の一言から始まる。
【生意気な後輩】
「僕はモヤシと言う名前じゃありませんし、君は後輩なんですから礼儀正しく接してください。」
これもいつもと同じ。
けれど、今日は
「“後輩”じゃなきゃいいんですか?」
いつもと違う反応。
いつもなら、
『うっせぇ、モヤシ。敬語使ってやってる分いいだろうが。』
って毒づくはずなのに……
今日は何だか様子がおかしい。
「まぁ、同級生や先輩方とかなら。」
「だから、あんなクソ兎と仲が良いんですか?」
クソ兎って……
「ラビのことですか?」
「あんな眼帯野郎のどこが良いんですか?」
「どこがいいって……ラビはただの友達なんですが……まぁ、強いて言えば面白いところ……ですかね?」
「……俺は……何なんですか?」
「へ?君は……神田でしょう?」
胸が苦しい。
早鐘が鳴ってるみたい。
誤魔化さなきゃ。
誤魔化さなきゃ後戻りが出来ない。
でも、神田はそれを許してくれない。
「違ぇ!!」
「か、……だ。」