**福山潤**


『ベッドの中の密事』


「もう、そんなになるまで飲むことないじゃん。」

久しぶりに潤と外で飲んだ。
潤はとってもご機嫌でピッチが早い。
あんまり、飲んでべろべろなあなたは見たことがないから、ちょっとだけ嬉しかったりもするんだ。

違う潤が見られて得した気分。

タクシーから降りて潤を肩に担ぐと潤の部屋へと急ぐ。
いくらスマートな潤だからってやっぱり男性だから、それなりに重くて。
ましてや酔ってるともなれば、私の肩に掛かる負担も大きくて…。



「潤、靴脱げる?」
「うーん、脱げぇ…。」

完全に酔ってる潤。
どうにか靴を脱いでもらい、向かうは速攻寝室だ。

「潤、ほら、横になって。」

うんしょ、と担いでいた潤もろともベッドにダイブした私。

よっこらしょ。

潤をゴロンと横たわらしてジーンズのボタンに手を掛ける。

「ん?何、俺、襲われるのぉ?」
「バカ。ズボンだけでも脱がせてあげようかなぁって言う彼女の優しさを!!」
「あはは、好き。大好きだよぉ。」

潤は私に向かって両手を広げてぎゅってしてポーズ。

「はいはい、ズボン脱いだらね。」

言って、ジーンズのジッパーを下ろし、腰骨辺りのそこを引っ張って脱がせた。

「はぁ、結構しんどい。」

酔っ払いは、重いです。

「ねぇ、ぎゅうは?」

ズボンが脱ぎ終わればすかさず潤はまた両手を広げてぎゅってしてポーズ。

もう…。

なんてちょっと溜め息ついてみるけど、でも、甘えた潤もなんだか可愛い。

開かれた両手の中に自らの体を屈めてぎゅっと潤を抱きしめる。

「私も潤が好きだからね。」

なんて、いつもは恥ずかしくてあんまり口にしない言葉も、酔ってるとなれば、あなたは忘れてくれるかもしれないなんて思って素直に口に出来た。

「俺だって。」
「きゃっ!!」



えぇぇぇぇ!?



あっという間に、私の視界は天井を映し出し、ニヤリと口角を引き上げる潤と視線がぶつかった。

「潤…、酔って…、」

たんじゃないの―――?

「今夜も、いいだろ?」
「どう言うこと?」
「だって、二日も続けてなんて、君、絶対断るだろ?だから。」

酔ったふりして私をベッドまで運ばせて…。

「この展開ってわけね。」
「いいだろ?君は毎日だって戴きたい。」

ちゅっと耳に甘いリップ音。

「潤はぁ…。」

優しく睨めば、あなたはさっと薄手の毛布を二人の上に掛ける。

「戴きます。」

耳へと届く熱い囁き。
ベッドの中もとっても熱くて―――



私だって本当は、毎日だって嫌じゃないから

熱い吐息は朝までも―――


END



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郁伽


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