人魚姫の結末
□グレーテルの思惑
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「一ヶ月でいいんです!実は…」
女の子は自分の身の上を話し始めた。
女の子は、アリス学園というところにいたらしい。
でも、その学園は家族との面会も禁止という酷いところで、家族に会いたくて脱走してきたという。
「じゃあ、家族のところに行けばいいんじゃ…?」
私がそういうと女の子は黙り込んでしまった。
どうやら会いにいけない理由があるらしい。
じゃあこの子住むところないんだ…
「…いいよ。一ヶ月ならお母さんも帰ってこないだろうしね。」
「はぁ?」
光が文句を言おうとするが、無視無視。住む場所がない子を放っておくわけにもいかないし。
「あ、そだ。名前教えてくれる?」
「姫香です、天音姫香」
「アニメのキャラクターみたいな可愛い名前だねー。」
そういうと光がまた何か言いたそうな顔をしていたけど、まあいっか。
「さっきも言ったけど、私は“財前梓”よろしくね」
「…素敵な、名前ですね」
少し間を空けてそう言った彼女を見て、少し驚いた。
グレーテルの思惑
(泣き笑いみたいな、)
(そんな顔)