人魚姫の結末
□毒林檎計画と魔女
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光side
何か、コイツ放っておかれへん。
朝、部活がないのに癖で早く起きたんや。
そしたら、天音がリビングで電気もつけずに泣いっとった。
天音もこっちに気づいたみたいで、慌てて涙を拭っていた。
「財前さん!おはようございます」
少し、 涙声で言った。
その笑顔が、無理に作っているようで、気づいたら言っていた。
「……別に見てへんし」
遠まわしに、見てないから泣いてもいいと伝えた。
しばらくすると、天音の啜り泣きがまた聞こえてきたからテレビをつけた。
眠…
「財前さん、ありがとうございました」
しばらくして泣き止んだ天音が言う。
「…財前さん、光さんでいいですか?」
「…別に」
何や、俺可笑しないか。
いつもは梓以外の女子に名前呼びさせへんのに。
それから梓が起きて来るまでどちらも泣いたことには触れずにすごした。
っていうかコイツ、話してみると結構面ろいやん。
毒林檎計画と魔女
(やっぱコイツ、)
(どことなく似てるんや)