伸ばした手は虚空をつかんだ

□彼女の心
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確かに、あたし達は、幸せだった。





あの暑い暑い夏の日、すべてが壊されてしまうまでは----------













奈央!誕生日おめでとう。




ありがとー!!美守♪












、幸せだったのに。















ごめん。俺、美守ちゃんが好きだから。





可愛い美守と違って、平凡でも。















君は、あの子に劣等感を抱いている。そうだろう?



僕が、それを変えてあげる。



あの子よりも君を、愛してるから。






そんなこと、望んでなかった。















違う!私はやってない!!信じてよ…



どうせお前が奈央を泣かせたんだろ?


ハッ懲りずによくやるよ








元の世界で愛されていたはずの美守は、嫌われて


平凡だったあたしは皆に愛された。











美守…


触らないでッ!!いい子ぶらないで!
どうせまた奈央が仕組んだんでしょ!?




優しかった美守は、繰り返される異世界での虐げで壊れてしまった。























ああ、神様、あたしはこんなことを望んだわけじゃない。



貴方が私を愛しているなら、返してよ。




平凡な日々を。

幸せな日常を。

あたしの想いを。

あの子の笑顔を。































あたしの優しい親友を、返してよ。













彼女の心

(神と世界とあたしが壊した)

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