伸ばした手は虚空をつかんだ
□全ての人に愛されること
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異世界に行った。漫画の世界だった。
最初はあたしも舞い上がっていた。
でも、この世界では何故か美守が嫌われて。
美守に拒絶されて。
こんなことならトリップなんてしたくなかった。
きっとそれは罪なんだ。
あたしが抱いた劣等感の罪。
今は沢山の人に好意を寄せられて、友達も沢山いる。
でも、昔は憧れであって劣等感を抱いていた、沢山の好意なんかもういらない。
美守がいればそれで幸せだったのに、とあたしは今更嘆いてるんだ。
あたしに異常な愛を向ける漫画のキャラクターだった人たちを見ながら、そんなことを考えた。
全ての人にに愛されること
あんなに焦がれていたのにね