伸ばした手は虚空をつかんだ
□君がいればそれで
1ページ/1ページ
毎日が憂鬱で仕方がない。
靴箱をあけると、呼び出しの紙。
誰かは大体検討がつく。
私が教室に入れば、一瞬教室が静かになる。
すぐにまた煩くなった教室には、私の悪口があふれ返っている。
帰りたい、と思った。
この世界に来る直前に、時間を戻してもらえたら、
きっと本当の友情をつかめていたんだろう。
元の世界にいた頃。一度だけ、たった一度、思ったことがある。
思ってからすぐに、理不尽に消し去られてしまった感情。
君がいればそれで
幸せなのかも知れない、と