感情論
□混乱論
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聞いてしまったのは、偶然だった。
部活の3年が2年でレギュラーの赤也を妬んでいるのは知っていた。
だから、こんな風に陰で文句を言われることだって知っていた。
でも、赤也が大丈夫だといっているから何もしなかった。
そして、今日。赤也が呼び出されているのに遭遇してしまった。
「切原さ、お前マジうぜえんだけど」
「さっさとレギュラー落ちろよ」
最初はこんな幼稚なものだった。
でも、次に言われた言葉に私は頭の中が真っ白になった。
「人殺しがなに呑気に部活何かしてんだよ」
そのときに初めて赤也が反論した。
「俺は人殺しじゃないッ!!!」
3年生も言う。
「俺らさ、あの学園の出身なんだよなぁー」
「まぁ、途中でなくなったけどなぁ」
「だから知ってるぜ。お前の、」
もう、会話の意味がわからない。
これ以上聞きたくなくて私はその場から逃げ出した。
混乱論