裏小説

□灼熱の季節を楽しみましょ♪
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「あつ〜い…」

先ほどから秋斉の部屋で突っ伏しているのは慶喜だ。
この男、次期将軍だというのに、こうしているとその威厳は全く感じられない。

「慶喜はん、いい加減にしなはれ。
暑い、暑い言うても仕方あらへんやろ」

「そんなこと言っても、暑いものは暑いんだ。
秋斉はどうしてそんな涼しい顔ができるんだよ!」

膨れっ面をした慶喜は秋斉に噛みつく。
秋斉は呆れ顔を貼り付けて大きなため息をついた。

「慶喜はんだけやあらへん。
わてかて暑いんや。
そんなん、気合で乗り切りなはれ」

「気合でどうにかなるなら、とっくに乗り切っているよ!
ねぇ、秋斉。あの太陽をどっかやってよ!」

じっとりとした天候はただでさえ不快なのに、慶喜は追い打ちをかけるように無茶な要求をしてくる。
秋斉も我慢の限界だ。
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