裏小説
□蜜より甘い
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隊務を終えた私は、とあるお店に向かっていた。
それは、最近できたばかりの茶屋。
そこで出されるお菓子は、どれも美味しいとの評判だ。
甘味に目がない私が興味を持たないわけがなく、このように時間に余裕ができたのなら、そちらに足が向くのは当然のこと。
目的の場所に着くと、聞き覚えのある声が聞こえた。
「うむ……、残念じゃのう」
独特の土佐訛りに、広い背中。
その持ち主に、私は声をかけてみる。
「……才谷さん?」
「おぉ、沖田くんか」
彼は私の顔を見ると、明るく笑いかけた。