短編

□夢現予報
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その方の視線の先に目を向けると、骨壷を抱えた女性が歩いてました。
その女性の腹部の膨らみから、誰かの子供を身篭っていることがわかりました。

そんな身重な状態にも関わらず、彼女は歩くことを止めることなく、北の方角へ、ただ北へと足を進めていたのです。


「アレには難儀な想いをさせてしまった」

「難儀、とは?」

「アレには家族も国もあったのに、私はその全てから切り離したのだ。
それでも欲しかった。たとえ、世の理を覆したとしても、私にはアレが必要だったのだ」

「私にはわかりません。そこまでして一人の女性に傾倒するのか」
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