手をつなぐまで
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部活が終わるまで残り30分。

わたしは何度も頭で
イメージトレーニングをしていた。


木更津淳くん…

わたしの恋人。



わたしたちは
進展が遅いらしい。
(だーね先輩情報)


だから
ネットと本で調べてみた。

付き合ったら
まずは
手をつなぐ…



いまだに苗字でよんでるのに
そんなことできるか…


って、えぇいっ

ネガティブに考えても仕方ない!

今日こそは頑張って手をつなぐんだ!



二週間前に一度挑戦しようとしたが
恥ずかしくてできなかった。


今回はそんな失敗はしない!


(スッと…うーん…)

いろいろ考えていると…


トンッ

「わっ」

急に肩を叩かれた。

「おまたせ」

「あっ、ぇ…お疲れ様です」

「クスクス…お疲れ。…帰ろっか」

「あっ、はい!」


木更津くんと隣に並んで歩く。

「そいえば…」

話題を探して
なんとか会話が途切れないようにするだけで必死なのに
手なんかつなげるだろうか…


とりあえず
話ながら横目で木更津くんの手をみる。


(よし…)


わたしは
少しずつ自分の手を近づける。
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