俺の印
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「解散!」



…ハァ

今日も疲れた。



だけど
嫌じゃない。



だって千夏が待ってるから。





「仁王せんぱーい」

「ん?赤也か、どうしたんじゃ?」

「一緒に帰りませんか?」

「あー…スマンが今日は無理じゃな」


俺は
服を着替えながら断った。


「えー…ここ最近いっつもじゃないスかぁ」

赤也が口を尖らせる。


すると横にいたブン太がニヤニヤしながら代弁した。

「そんなの彼女が待ってるからに決まってんだろぃ」


そういうと
赤也も
「そうっスね」と笑いながら言った。




ガタッ


「そんじゃ…お先に」

俺は
足早に部室をでた。


早く会いたい…


俺にとっては珍しく
普通に
純粋な恋だった。




足早に校門に向かうと
壁にもたれて本を読む
千夏の姿があった。




俺は走る。


…が
その足は途中で止まった。
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