短
□**手に入らないモノ
3ページ/6ページ
放課後――
大抵の奴がいなくなったあと
俺は一人
教室で残っていた。
それはもちろん
鶴萩を待っているからだ。
侑士が言うには
調理部らしい。
だとすると
一度鞄をとりに戻ってくる。
俺はそれを待っていた。
少ししてから隣の教室に入っていく人影が見えた。
俺は
それをみて
その教室に向かう。
…と声が聞こえた。
鶴萩の声と…
侑士の声と…
◆*◆
「そんで…
話ってなんや?」
「あ…あの」
鶴萩は俯きながら
頬を少し赤く染めて
侑士の目を
強く見る。
「あの!きょ…今日…」
その続きは
誘いを断られた跡部ならわかるだろう。
「なるほど…
(俺様のメンツは丸つぶれってことかよ…)」
ガラッ――
「っ?!」
「あ、跡部やん。どないし…」
侑士が言い終える前に
跡部は鶴萩の肩を掴んで
自分の方に向ける。
「ぁ…あのっ…っ!?」
そして
侑士の目の前で
唇を重ねた。