君には敵わない
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『クッキーを焼きました。
よければ食べてください。』


そんな手紙と一緒に
部室の机に置いてあった。




1番に部室に戻ってきた俺は
それをみて
すぐに誰が持ってきたものだか分かった。


(千夏先輩…)


千夏先輩は調理部部長であって
俺の彼女でもある。


たまにこうやって部室に差し入れを持ってきてくれる。






食べようかなーとか考えてると
鳳と宍戸さんが戻ってきた。

「あっ、クッキーじゃん」

「あぁ、千夏先輩からですよ」



宍戸さんが来たので俺が説明してると
鳳がニコッとしながら口をはさんだ。


「そのクッキー、すごく美味しいですよ」




え…


「なんだ、長太郎もう食ったのか?」

「はい。鶴萩先輩とすれ違ったときに一口味見して欲しいって言われて…」


「へー。俺も食お」







そのあと
戻ってきた先輩たちもクッキーを食べてた。


(…)




俺は結局一口も食べずに
ずっと考えていた。





部活が終わって帰ろうとすると
ちょうど千夏先輩と会った。
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