短
□*君には敵わない
2ページ/4ページ
『クッキーを焼きました。
よければ食べてください。』
そんな手紙と一緒に
部室の机に置いてあった。
1番に部室に戻ってきた俺は
それをみて
すぐに誰が持ってきたものだか分かった。
(千夏先輩…)
千夏先輩は調理部部長であって
俺の彼女でもある。
たまにこうやって部室に差し入れを持ってきてくれる。
食べようかなーとか考えてると
鳳と宍戸さんが戻ってきた。
「あっ、クッキーじゃん」
「あぁ、千夏先輩からですよ」
宍戸さんが来たので俺が説明してると
鳳がニコッとしながら口をはさんだ。
「そのクッキー、すごく美味しいですよ」
え…
「なんだ、長太郎もう食ったのか?」
「はい。鶴萩先輩とすれ違ったときに一口味見して欲しいって言われて…」
「へー。俺も食お」
そのあと
戻ってきた先輩たちもクッキーを食べてた。
(…)
俺は結局一口も食べずに
ずっと考えていた。
部活が終わって帰ろうとすると
ちょうど千夏先輩と会った。