ただの人形
2ページ/4ページ

「真田くん…」



放課後
真田くんの家におじゃましている。



静かな空間で
わたしは真田くんに話を切り出した。




「あの…
お願いが…あって…」

「? なんだ?」




「この…関係を…
終わりにしてほしいです…」



ちゃんと気持ちがあった。



真田くんのことを本気で好きになっていく自分がいて…

それを伝えたい。


恋人として
これからずっといられたらいいのに…




「わたし…」


それを伝えようとしたとき。


「断る」

「…ぇ…」



わたしの言葉を遮るように
真田くんの声が響いた。



そして次の瞬間

腕を力強く引っ張られて
ベットに投げ倒された。



「ぁっ……さな…だく…ん?」


涙が溜まって
声が震える。





真田くんはわたしの上に馬乗りになる。


腕を掴まれて
手が動かない。





「やめっ…」


わたしの弱々しい声とは裏はらに
真田くんの力強い声が響いた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ