正義のミカタ
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学校に向かう途中の通学路。


今日は妙に静かだった。


この時間なら
ほかの生徒もたくさんいるはずなのに…


そんな疑問を抱きながらも
わたしは学校に向かう。







時刻はギリギリアウト。

(やばい…生徒指導に怒られるよ…)

そう思ってヒヤヒヤして校門を通る。



わたしは
視界のずっと右に映る赤い何かを確認することもなく
ラッキーと思って教室に向かった。







ガラー


わたしが入ると
ざわめいてた教室が一瞬にしてやんだ。

みんなわたしと目を合わせようともせず
自分の席に付く。


まるで先生になったみたいで
少しいい気になった。



わたしも自分の席に付く。



「ねぇ…やっぱ…」

誰かの声。
わたしは気にしなかった。


だって
その10秒後にはおとなしくなるから。











「向日くん」

昼休み
わたしは食堂に行った。

そこで
向日くんはケーキを食べている。

1人で。


「よぉ、お前も食うか?」

「うん」

わたしは向日くんから
赤いジャムのかかったケーキをもらった。

一口
口に入れる。

「おいしぃ」

そう言うと向日くんは嬉しそうに笑った。
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