短
□*恋と恋と恋。
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「千夏ー、好きー」
ブン太くんが猫が甘えるみたいに私に抱きついてくる。
「ちょっ?!…ブン太くん、人…人いるって…」
私は内心嬉しいくせに迷惑なフリしてブン太くんの体を押しのけた。
するとブン太くんは頬を膨らませてどこかに行ってしまった。
◆
昼休み…
一人、誰もいない屋上でお弁当を食べていると、ドアの向こうから誰かの話し声と足音がした。
誰か来るんだと思ってなんとなく影になるところに移動する。
――と、屋上のドアが開いた。
入ってきたのは、ブン太くんと仁王くんと赤也くんだった。
◆
「はぁー」
思わず深いため息をつく。
「どーしたんすか?」
赤也が焼きそばパンをほおばりながら俺の顔を覗き込む。
「んー」
と曖昧に返事をすると仁王が代わりに答えた。