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□アリガタ迷惑
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あからさまだった。
その違和感に気づいたのはどうやら僕だけじゃないようで、鼻クソをゴミ箱に飛ばしながら銀さんは僕に問いかけた。


「・・・おい、最近の神楽おかしくねーか」




( アリガタ迷惑 )




「銀さんもやっぱそう思いますか」

神楽ちゃんはついさっき、ピンクのマフラーを鼻の下までつけてルンルンしながら万事屋を出て行った。

あんなにニコニコした神楽ちゃんの行き先を問いただしてみようとも思ったが、そこだけは毎日うまくかわされてしまう。


「家でもずっとそわそわしてるし、なんかあったんですかね?」

「さぁな、でも・・・」


そう言うと、銀さんはイスごと窓ぎわに回って、


「どうやら総一郎くんと、何かあるのは絶対みたいだぜ」

と呟いた。

「沖田さん、・・・ですか?」

「ああ、大串くんがそう言ってたから」

「・・・いやでも」

あの二人はさすがにないだろう。だって会って喧嘩しない日はないし。

・・・いやでもまて、考えてみると、最近はそんなに目立った喧嘩はしていないかも。
以前に比べると、の話だが。


「まぁ、そういう事だからさ、・・・新八、なんかあったら相談のってやれよ」


そういうと、銀さんは僕に顔を見せずに椅子から立って「留守番、よろしく」と言って外へ出ていってしまった。


(様子がおかしいのは、銀さんもじゃないですか)


こんな寒いのに、マフラーもつけずにどっかいってしまうなんて。
ふいに置き去りの赤いマフラーを手にとってみる。

窓の外で、寒そうにくしゃみをしている銀さんは、どことなく寂しそうだった。




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今日は気分転換だ、と銀さんか僕達を散歩に連れ出したので、この寒空の下を三人で並んで歩いている。

「・・・ッ寒いアルなぁああ!何アルか!地球はおんだんかが進んでるんじゃなかったのかヨ!」

「いくら温暖化が進んでても冬が寒いのは変わりありませんよ、神楽ちゃん」

「何だヨそれ、矛盾してるアル。新八、今すぐ太陽近づけてこいヨ」

「いや無理だよ!?」

そんなことを言い合いながら、どこへ行くわけでもなくぶらぶらといつもの道を歩いていた。



「・・・あ」

そう、声を漏らしたのは神楽ちゃんだった。


「どうも、旦那・・・チャイナも」

そう声がすると、その黒い隊服を実に纏った-沖田さんが目の前に立っていた。

「沖田さん、どうしたんですか?こんな所で」

「見回りでィ」

短く言葉を切る沖田さん。
それじゃあ、と挨拶しようとしたら視界に映ったのは-明らかに神楽ちゃんを凝視している沖田さんと、更にそれを監視するかの如く見つめる銀さんがいた。

「・・・、よォ、税金泥棒、何突っ立ってんだヨ、働けヨ!」

「言われなくても働いてらァ」

「アイマスクもって何してんだヨ」

「てめェこそその凶器構えてんなよ」

「私の勝手だロ!」


ああ、また始まってしまう-そう思って、二人の仲裁に入ろうと思っっていた、のだが。

「・・・なんてな」

そう言って神楽ちゃんの頭をポンポンと叩いて去っていく沖田さん。


・・・え?


あんなにいがみ合って、喧嘩しなかった日はないに等しいこいつらが?
今、頭ポンポンって・・・


隣で神楽ちゃんはまんざらでもない顔してるし・・・




『どうやら総一郎くんと、何かあるのは絶対みたいだぜ』



(銀さんの言葉の意味はこういう事だったのか・・・!)

「・・・おいおい、沖田くん。うちの看板娘に何気安く触ってくれてんの?」

「どうしたんですかィ、旦那。別に手は出しちゃいやせんぜィ」

どうしたらいいものか。
僕と神楽ちゃんを間に挟んで合わさるドSとドSの視線。

「まぁ旦那、そんなに怒りなさんな。・・・俺が一方的にこの娘、気に入ってるだけでさァ」

そう言って神楽ちゃんに向かって不敵な笑みを浮かべる沖田さん。

神楽ちゃんは顔を真っ赤にして、「何いってるアルか!」と叫んだ。




おやおや。

これは、また厄介な戦いが繰り広げられそうだ-。





end



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今週のじゃんぷすばらしかったです。
そんな感じでドSとドS記念!
・・・まぁ、後付けだけど。

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