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□クリスマスシンドローム
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寒いだけで雪はふらないなんて詐欺だ。
よくある歌詞では、いつでもクリスマスの日には雪、という暗黙の了解があるというのに。

どうにも期待に応えてくれない空に舌打ちをした。
いや、別にデートがどうとかいう訳ではないけれど。

街は、いつもと見た目は変わらない。
ただ少し違うといえば、雰囲気だろう。

どことなくそわそわしていたり、うきうきしていたり。
まぁぼっちクリスマスを過ごす予定だろう奴らからは殺気がムンムン漂っているが。


うちの屯所も同じようなもんだった。
彼女へのプレゼント、何買った?
いや、俺はまだ・・・
なんて会話が飛び交う此処は、なんだか居心地が悪くて見廻りといって外に出た。


「オイ総悟、おめーどこいくんだよ」

「あぁ、土方さん。メリーぼっちクリスマス」

「余計なお世話だ」

ったく、といいながら煙草をふかす土方さんの横を通りすぎると、


「上手くやれよ」

と言われた。



意味分かんねェ。



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「よ、ぼっちの税金泥棒」

「げ」

「何アルか、げって」

クリスマスにまたこんなやつに出会うとは。
しかもぼっちって言われたし。

「そんなこといったらてめーもぼっちだろーが」

「私はお前なんかとは違うネ、だいたい定春がいる時点でぼっちじゃないアル、それに夜は銀ちゃんと新八とクリスマスパーティーアル」

「そうかィ、それは良かったなァ」

「・・・今日はやけに冷めてるアルな」



自分でもそう思った。
コイツをからかったりのひとつやふたつ、いつもならコイツを怒らせるくらいしまくってるのに。


そんなに旦那がいいか。
そんなにあのメガネがいいか。




そんなに笑顔で話してんじゃねーよ。




「そだ」

「あ?」

「お前どーせ暇だろ、私に付き合えヨ」

「はあ?どこに」

「来れば分かるアル」





そういわれてコイツの誘導のままに連れてこられたそこは、雑貨屋だった。

「銀ちゃんと新八にクリスマスプレゼント買うアル、お金ないから諦めてたけど・・・お前、払えよ」

「意味わかんねぇよ」

「お前の収入は結局税金ネ!変わんないアル!」


「・・・高いもん選んでんじゃねーぞ・・・」



これは?これなんか新八っぽいアル!
とかいいながらプレゼント、とやらを選ぶチャイナ。

「なぁ」

「何アルか」

「お前にとっての旦那って・・・、何なの?」

「いきなり何ヨ」

「いいから答えろや」

「んー・・・地球での家族、かな」


家族。
その言葉に、何故か安堵した。
それだけじゃない。
胸に突き刺さってた何かがすうっと引いた気がした。
なんだこれ。


「・・・へぇ、そうかィ」

「何だよてめェ!気持ち悪いアル」




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「いいもん買えたアル!お前もこういうときは役に立つアルな」

「ひでぇ役回りだな・・・おい」

チャイナが買ったもの、というのもそうめちゃめちゃに高いものではなかった。
まぁ、コイツがそんな高いものをねだるようなやつじゃないこと、最初から分かっていたけど。
小さな人形みたいなものを3つ。
色違いでお揃い。


その人形の入った紙袋を愛おしそうに見つめるチャイナ。


「てめぇに貸し作ったつもりはないアルが・・・ありがと、アル」



おいおい。
今日はやけに素直じゃねーか。
雨、いや洪水でもできるんじゃねーの。



「てめぇに礼なんかいわれても嬉しくねェな・・・じゃな」

ちょっとぶっきらぼうな別れ方な気もした。



さぁ、アイツがあの紙袋の中に入っているもうひとつの紙袋に気づくのは何時頃か。




(メリークリスマス、チャイナ)






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「・・・何アルか、これ・・・」

紙袋の中に、もうひとつ小さな紙袋。

あけてみると、しゃらん、と音がした。
シンプルな星型の、かわいいネックレス。


(まさか)


これ、サドが?
いやいや、アイツがこんなことする訳・・・
いやでも、サド意外こんなことできないし。



心臓の鼓動が速まったのは気のせいか。

いつ選んだんだろう。どんな顔して選んだんだろう。


意外と女々しいヤツ。




( 『はいこれ、銀ちゃんと新八に!メリクリアル』

『わぁ、いいの?神楽ちゃん。ありがとう』

『何これ、クマ?』

『そうアル、みんなお揃いネ!』

『神楽ちゃんらしいね、ちょっとワイルドで』

『そうアルか?』

『あれ?神楽のクマだけなんかキラキラしてんじゃん、何それ』

『ああ、これは・・・



ただの果たし状のオマケアル』   )







fin



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なんかあんまりクリスマスっぽくない。
でもクリスマスに便乗できたから満足。
メリークリスマス!●●

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