book
□存在
1ページ/3ページ
「何を落としたの?」
少しだけルカが息を詰めたのに気づいた。
ドクン──…
『ルカちゃんっ!────…』
2.存在
「ただの…ネックレス……」
夜、屋敷の庭でフェリチータは満点の星空を見上げていた。
ルカが落としたとゆうネックレス…
小粒のオレンジ色の石が特徴的だと言ってた。
しかしフェリチータは、また違うことに頭を悩ませてた。
話の最中に見えた光景。
リ・アマンティ
貴方が見せたあれは、ルカの過去…?
蜂蜜のような淡いブラウンをなびかせた少女。
温かさを感じるオレンジの瞳と柔らかい笑顔。
どこかで見たことがある…。
ただ1人ぼんやりと空をながめてはため息をはく。
「お嬢?」
「!」
振り返ったそこには、金髪の少年
「リベルタ…」
「あっわっ悪ぃ、急に声かけて」
顔を赤くして少しだけ俯いたリベルタ。
弱々しく首をふるフェリチータに、眉を寄せ顔を上げた。
「お嬢、どうしたんだよ」
「え…」
「泣きそうな顔してるから…
はっ!もしやヒヨコ豆にまた何か言われたのか!?」
隣に座ってくわっと顔を寄せてくる彼に、視線を下ろした。
「うんうん…違うの。ノヴァじゃない」
軽く唇を噛んだフェリチータに、リベルタは眉を下げた
「お、俺でよかったら…聞くぜ」
隣に座り直して顔を朱に染める彼の優しさに、少しだけ笑顔を見せた。
すぐに眉を寄せ、瞼を伏せて話始めた。