book

□迷子の弱者
1ページ/5ページ



「ふぅ…」

疲れきったように壁によりかかる少女

ブラウンの髪の毛がさらりと揺れた。



パシッ

その腕を掴んだ人影。


「…ハル───…?」






4.迷子の弱者





あれから数日。


数ヵ所で多発するオーガブランコの残党の男たちの出現。

それはいずれもぼろぼろの瀕死状態。



この噂はすぐに町中に伝わり謎のヒーローは、

島の平和を守る本物のヒーローになっていた。



「…おかしい」


そんなある日、その状態に異常を感じたのは聖杯の幹部。ノヴァだった。


「何が?」


金髪を揺らした少年、リベルタが反応した。


「この状態がだ。」


仕事が一段落したリベルタ、パーチェ、ルカ、フェリチータ、ノヴァは港近くのリストランテで昼食にしていた。


机いっぱいにラザニアを広げるパーチェ

それにため息をつきながらいいか?と繋げた。


「オーガブランコはもともと崩壊した組織、なのに発見される男たちは皆そこの人間だ。」


「それの何がおかしいの?」


不思議そうに質問したフェリチータに、リベルタがそーそーと頷いた。

「うおっ!?」


浮かせた椅子をそのままバタンと後ろに倒れたリベルタ。


「馬鹿か…?」


「うるせぇひよこ豆!!」


「僕をひよこ豆と呼ぶな!」


ガタンッと睨みあった二人をルカがまあまあと制した。


「それで、ノヴァはそれのどこが気になるんです?」


少しだけ不機嫌そうな顔をし、はぁっとタメ息してから答えた。


「推測だが、おそらくオーガブランコにはまだ組織力がある。」


「それって…」



ガチャーッン!!

大きな音がして扉が開かれた。
驚いて全員が視線を向けると仕事で見慣れた黒服。




「皆さんっ…大変です…ッ!!」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ