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□おかえり
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カツン…カツン…カツン───…


「〜♪」



明朝のレガーロに軽快な口笛と足音が響く


ローブ姿の少女がポケットに手を突っ込んで歩いてた



「さーてと…」

止まったのは、1つの酒場




「……仕事といきますか」



6.おかえり





「フー…」


灰色の煙がブルーの空に広がる


煙草を口から離して辺りを見渡す。


「ここも、か…」


開かれた地図の上に書かれた黒丸にさらにバツを加えた


夜明けはもう間近。


ジョーリィは静かに歩き出した。

地図に書かれた印は…残り1つ。


目的地はすぐそこ


特に速まる訳でもなくただゆっくりと足を進める。


響く足音を石畳に刷り込むように。


ガシャーッン!!

「!」


角の向こうから騒音と、
カランカランと剣が滑り転がってきた。


これはどう見ても…


静かに壁に近より向こう側の様子を窺った


見えたのはブラウンの髪の少女の後ろ姿。

ぐったりとした男の襟を掴んで持ち上げ、何か話してるが…

この距離じゃ、それを聞くのは無理なようだ。


「ニャー」

「!」


気付いたらいつの間にか黒猫が足にすりよってきていた。


「だれ」


間髪入れずに少女が振り返り、
ドサリと男の倒れる音がした。
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