book

□少女より
1ページ/5ページ




一生は長い。


何もない淡々とした毎日を死ぬまで繰り返す。
そんなのは味気ない。

それに一生は嫌なことばっか。


だから付けよう。


私の、生きる意味を───…




7.少女より




走り出してから10分。


やっとレガーロの裏側までやって来た。

この平和な島レガーロに存在する唯一の無法地帯。


"トレラ"


「相変わらず、陰気くさ」


癖でポケットに手を突っ込む。

くしゃりと音がした。


「?」


ポケットの中に小さなクシャクシャの紙。


開いてみると、手紙だった。




《おはよう、気分はどうだ?

どうせ君の事だからすぐ抜け出すだろうと思い手紙を書いた。

早速だが、こちら側にもどるんだ。
あまり、私を怒らすな
ジョーリィ》




「わー怖」


白々しく言って手紙をたたむ。

彼らしい癖字が懐かしかった。


「とゆうか、戻れって言われると戻りたくなくなる」


手紙をしまい歩き出す。


目的地はすぐそこ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ