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□少女より
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一生は長い。
何もない淡々とした毎日を死ぬまで繰り返す。
そんなのは味気ない。
それに一生は嫌なことばっか。
だから付けよう。
私の、生きる意味を───…
7.少女より
走り出してから10分。
やっとレガーロの裏側までやって来た。
この平和な島レガーロに存在する唯一の無法地帯。
"トレラ"
「相変わらず、陰気くさ」
癖でポケットに手を突っ込む。
くしゃりと音がした。
「?」
ポケットの中に小さなクシャクシャの紙。
開いてみると、手紙だった。
《おはよう、気分はどうだ?
どうせ君の事だからすぐ抜け出すだろうと思い手紙を書いた。
早速だが、こちら側にもどるんだ。
あまり、私を怒らすなジョーリィ》
「わー怖」
白々しく言って手紙をたたむ。
彼らしい癖字が懐かしかった。
「とゆうか、戻れって言われると戻りたくなくなる」
手紙をしまい歩き出す。
目的地はすぐそこ。