君の笑顔が見たいから
□プロローグ
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─その日。
風が鳥達に囁きました。
水は魚達に、そっと。
大地もまた、小さな獣達に伝えました。
大きな、それは立派なお城が、一夜のうちに滅んでしまったと。
恐ろしい呪いが、あっという間にそこに住む人間を包みこみ、
目覚めることのない眠りへと縛りつけてしまったのだと。
噂は、もの言わぬ獣達のあいだに、波のように広がって。
大空をかける二羽の鷹が、ついに目にします。
呪いをかけて去った悪しき道化師を追って、
旅を続ける旅人たちの姿を─。
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