君の笑顔が見たいから

□プロローグ
1ページ/1ページ




─その日。

風が鳥達に囁きました。
水は魚達に、そっと。
大地もまた、小さな獣達に伝えました。

大きな、それは立派なお城が、一夜のうちに滅んでしまったと。

恐ろしい呪いが、あっという間にそこに住む人間を包みこみ、
目覚めることのない眠りへと縛りつけてしまったのだと。


噂は、もの言わぬ獣達のあいだに、波のように広がって。


大空をかける二羽の鷹が、ついに目にします。
呪いをかけて去った悪しき道化師を追って、
旅を続ける旅人たちの姿を─。




.
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ