2人の初恋

□温泉なう♪
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「…
「ん?どした?」

更衣室に入ってから、ずっとキョウヤとシャドウを見ているイリアとエルに聞く。

「いや、ちょっとスタイルが気になって。」
「せやねん。シャドウ姉ちゃんなんて、服着とうてもめっちゃスタイルエエやん。」
「あ、そう言うことか。気持ちは分からなくもねぇけど、シャドウが困ってっから止めろ。」
「イリア、エル、お風呂で見れるでしょ?止めなさい。」
「「はーい。」」
「(いや、注意の仕方おかしいだろ…)」

キョウヤは特に気にした様子もなく、風呂に向かった。シャドウは少々戸惑いながら、キョウヤの後に続いた。






[男性陣側]

「にしても、キョウヤが女の子だったなんてね。」
「あぁ。性格も態度もベルフォルマそっくりだったからな。流石の俺も驚いた。」
「ま、あれがキョウヤくんらしさなんだと思うよ。」
「あれ?スパーダ?どうしたの?」

3人の輪から外れて、スパーダが何やら考えごとをしていた。

「(アイツが女っつうことは、さっきアイツを抱き締めちまったのはヤバかった…?けどなんだろうな…オレ、キョウヤを抱き締めた時、なんかこう……嬉しいって言葉じゃ足りないくらいに嬉しくって…んで居心地良くって…。もしかしてオレ…)」
「スパーダ?」
「うおっ!!?Σ(゜Д゜;)」

ルカに肩に触れられて、我に返ったスパーダが変な声を出す。

「ど、どうしたの?スゴく静かだけど…。」
「あ、あぁ、なんでもねぇ。考えごとしてただけだ。」
「そう?ならいいけど。」






[女性陣側]

「いくで〜!」

バッシャーン!

「こらエル!飛び込んじゃダメって、何度も言ってるでしょ!」

水遊びのように飛び込むエルをアンジュが叱る。しかし、エルは面白半分にアンジュに言った。

「んなアホな。この状況で飛び込まん方がおかしいで。それに、それを言うんやったら、ウチかてアンジュ姉ちゃんに「隠しても意味無い」ってなんべんも言うとるやろ?隠しとっても横からはみ出しとるんやからな。えいっ!」

エルがアンジュのタオルに手を出す。アンジュが咄嗟にタオルを握った。

「ちょっ…どこ触ってるのよ!」
「逆にイリア姉ちゃんは隠れすぎてて触りとうても触れんけどな。アハハハハ!」
「フン!エル、アンタなんて隠すところも無いじゃない。」
「ウチはエエねん。将来性はあるさかい。その点、イリア姉ちゃんは将来性も絶望やなぁ。」
「っ!!この口か?そう言うことを言うのはこの口かっ!?」
「いでででで!なんや、気にしとるんやったらアンジュ姉ちゃんの腹の肉、分けてもろたらエエやん。」
「っ!!この口ね?そう言うことを言うのはこの口ね!?」
「いでででで!」
「なーに遊んでんだよ。」

イリアとアンジュがエルの頬を抓っていると、キョウヤとシャドウが入ってくる。その瞬間、3人の動きが止まった。

「あ?どした?」
「キョウヤ姉ちゃん、足細いけど、胸が絶望的やな。」
「別に気にしてねぇし。」
「ん?シャドウ姉ちゃんは完璧やなぁ!!」
「うわっ!」
「こらエル!シャドウに何してんだ!」

エルがシャドウに抱き付き、キョウヤがエルを引き剥がそうとする。

「シャドウ!アンタ、なんでそんなにスタイル良いわけ!?」
「どうやったらそんなに痩せられるの!?」
「えっ、ちょっ、キョウヤ助けて…
「テメェらっ!!シャドウから離れやがれっ!!」





[男性陣側]

「…なぁ…なんでみんなで聞き耳立ててんだよ…。」
「いや、まぁ、その…なんだ。」
「うん、なんとなく…。でもやっぱりいけないことだよね?」
「いいんじゃないかな?昨日エルマーナにそれとなく聞いたら、男性陣へのサービスなんだってさ。」
「あぁ…。だからアイツ、毎晩わざわざ大声出してんのか。」

サラリと言いきったコンウェイの言葉に、スパーダは半分呆れた。





[両側]

「えっ!?じゃあ、イリア達は、聞こえてること知らないの!?」
「バッカお前…そんな大声出せば…。」
「ちょっとルカ君!?いるの!?」

ルカの驚き声にアンジュが反応した。続いてイリアの声が塀越しに聞こえてくる。

「えぇっ!?何やってんのよ、おたんこルカ!男湯って離れてるんじゃないの!?」
「入り口は離れとるけど、湯船はすぐ隣やで。しかも中が繋がっとるねん。ウチ潜って探検してきた!」
「何やってんだお前は。」

パシッと兇鵺がエルの頭を叩く。イリアが怒った様子で男湯の方に怒鳴った。

「ちょっとルカ!早く出て行きなさいよ!?出て行かないとこうよっ!!」

パンパンッ!と男湯に弾が打ち込まれる。

「ちょっ…なんで風呂に銃持ち込んでんだイリア!お前オレ達を殺す気かっ!!」
「お望みとあればね!ってスパーダもいたの!?」
「あ、ってことは、リカルドとコンウェイもいるかもな。」
「!!わ、私、もう上がるっ!!」
「あえっ!?シャドウ!?」

ペタペタと音を立ててシャドウが風呂から出る。キョウヤは驚いてシャドウを目で追った。

「さっさと上がって、さっさと寝なさい!それとも、永遠に眠らせてあげようかぁ!!」
「シャドウなんで…?……くっそう!この恨み、晴らさせてもらうぞ、スパーダァァァアア!!」
「は!?なんでオレが…って、うわぁぁぁぁあああ!!」






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