短編

□たまには
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どうも、鏡音レンです。
数ヶ月前に兇鵺にインストールしてもらってから、一緒に暮らしてるんだけどさ…


「ん〜…このゲームソフト欲しいな……あっ、でも来週に新しいCD出るし、その次の日はマンガ本の新巻出るし……今所持金が2,000円しかないよぉ……ちくせうぅ……。」


とまぁ、最近兇鵺はこんな感じにうなってるんだよな。女としてどっかはずれてるんだよ…。ま、話が合うし、たまに見せる子供っぽい可愛い表情が良かったりするんだけどね♪

…さてと。マジで最近は金の計算ばっかりやってるから、オレの曲さえ作ってくれない。と言うわけで。


「兇鵺…。」


「んー?」


ギュッ…


「?」


オレは、ソファに座ってゲームのチラシから目を離さない兇鵺を、後ろから抱き締めた。


「どした?イケレン君。珍しいねー。」


…そう言や兇鵺って、恋愛に興味ない人種だったっけ。女子でありながら、抱き締められても照れないとは…。さすがと言うか、何と言うか…。


「だって兇鵺、最近いっつもチラシと睨めっこじゃん。オレの曲作ってくれないし…。」


「あー。そう言やそうだねー。だってコレ欲しいんだもん。…PSVITAの初音ミク。」


「あー、それか。」


納得。発売日の前から欲しい欲しいって騒いでたもんな。うん。


「でもさ…。」


「うん?」


「オレにも少しはかまってよ…、な?じゃないと寂しいよ…。」


「レン…。」


お。少しは意識したか?


「…それは私に、虐められたいということかな?(ニヤリ)」


「いやいやいやいや。何でオレ、M設定なんだよ。違うだろ。」


「はーいはい。分かってるって。」


兇鵺はオレの頭を優しく撫でた。それが気持ちよくって、オレはつい笑みが零れる。

いつも君の為に頑張ってる分、たまには甘えていいよね?兇鵺。





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