短編

□クリスマス!
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『ふぅ、お腹いっぱい〜。ごちそうさまでした〜!』


「お粗末さまでした。」


ニコニコ笑う兇鵺を微笑ましく思いながら、俺は言った。


「そう言えば、兇鵺はホントに今までカラオケだったのか?」


『え、えーっと…。』


目が泳いでる。分かりやすいなぁ、こいつは。
まさか男と会ってたワケじゃ…ないよな。いくら何でも、兇鵺がそんな事しないと信じたいし。


『あ、あのさ、実は……自分から言おうとしたんだけど、これ…。』


「…は?」


ぎこちなく兇鵺が出したのは、可愛くラッピングされた箱。ってこれ、クリスマスプレゼントか?


『何にしようか迷ったけど、特別な物がいいなって思って。』


中に入ってたのはリストバンド。バナナの刺繍が入ってる。確かにこんな物、売ってないだろうな…バナナの刺繍って。


『ほら、レンって歌も歌うけど、ダンスもやるじゃん?だから、メイコ姉に裁縫教えてもらって、刺繍を……ダメかな…?』


ああ、もう。さっきからなんなんだ、この小動物!固まった俺見てシュンとなるとか、可愛すぎだろ!


「ダメじゃないよ、凄い嬉しい!ありがとう、兇鵺。」


『!…えへへ〜♪』


「だから遅れて帰って来たワケだ。」


『そう言うこと!』


「じゃ、俺からもクリスマスプレゼント。」


『えっ!何なに?』


目をキラキラさせる兇鵺に目を瞑らせて、俺は兇鵺の後ろにすわり、それを付けた。


「はい。目ぇ開けていいよ。」


『?……わぁ!ネックレス!しかも可愛い!!』


兇鵺の方が可愛いよ、なんて、思ったけど言わない。んなキザったらしいこと言わないよ。気持ち悪い。


『ありがとう!レン!』


「どういたしまして。メリークリスマス、兇鵺。」


『うん!メリークリスマス!レン!』


あー、もう食べちゃっていいですか?この小動物。





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