□世界を救った救世主は、世界で一番不幸になりました
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こんな結末、

皆は幸せなのか?


俺が救世主?笑わせるな。




確かにこいつは敵と通じていた。


確かに俺の殺したやつは、死んだマフィアのボスの愛人だった。






確かに俺の愛したやつは、俺がたった今殺した憎いやつの愛人だったんだ。





「これで俺たちは晴れて自由の身だ。」







俺を除けばな。






「にしても、ユウ一人でマフィアを壊滅させるなんて・・・」

「強すぎるよ、お前。もっと早くやっちまえばよかったのによー。」



大声で笑う男たち。




俺は上手く笑えてるだろうか?





「今夜は宴だな!!」

「おう!準備だ準備!!」



「その前にこいつら片付けなくていいのかな・・・」

「いんじゃねえの。ほっとけば。動物のえさにでもなるだろ。」



「いや。ルナだけは片付けよう。」


不服そうな顔をするやつもいたが、リーダーの決定に全員が了承した。



「俺がや『いや、俺が。』・・・そうか?」





「そうだな。お前がやれ。」

『ああ。』






「じゃあ俺ら先行ってるからよ。」

『先に飲むんじゃねーぞ』

「ハハッ!わかったわかった」





ぞろぞろと出て行く男たち。



最後に、


「ユウ、無理しなくていいからな」

『・・・ありがとうございます。』





バタン






この部屋には、俺と、俺の愛する人と、憎いやつ。








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