Flowers‐フラワーズ‐

□*白及*
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お話の事情により写真は最後です。
あまり知られてない名前なんで、
先に調べよかな、って思ってる方、
もしいらっしゃったら、止めて貰えると嬉しいです。

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「Yuya! Beaker please.」

(裕也! ビーカー取って)


「O.K. Here you are.」

(あぁ。 ほらよ)


「Thanks.」

(サンキュー)





アメリカ ヒューストンの研究所

俺がここに来て、
十年がたとうとしている。

初めは、本場の英語についてけなかった。
所詮俺の英語は紙面上でしかなかったのか、と絶望した。


時計を見たら
あー、今日本は8時か、
通勤列車は今日もいっぱいなのかな、とか。

テレビを見たら
今もあのニュース番組やってるのかな、とか。

気付けばどうでもいいことばかり。

つまりは日本のことなら何でも良かったんだ。


実験が、科学が、大好きだったはずなのに。

俺はこっちに来てから
話し相手もいない孤独だったり、
まともに英語も話せない奴だ、と困ったような顔をされ、惨めな思いをしたり、

日本に帰りたくて仕方なかった。


そんな時に出会ったのが、

俺と同じく日本から来たという正樹だった。
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