神月の蒼空
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「千鶴」
「なに?」
夕食の最中に、突然神月は言い出した
「一緒に島原に行こう!!」
………。
「「「「「はああああ!?」」」」」
***
「――で、なんだか知らないけど吉之助に島原まで来いとか言われてさ」
「それで何で千鶴が行かないといけねーんだよ!」
食事後、
広間で皆は先程の発言について論じていた
「それがさー、多分千景が話したんだろうけど、連れて来いとか言われてね
だめ?」
「だ…だめに決まってんだろ!」
平助が全力で阻止しようとするが、神月がジロリと睨みつける
「平助には聞いてないし
……千鶴、どうかな…?」
千鶴に苦笑気味に聞く神月に、千鶴は困ったように首を傾げる
と、
「悪いが、2人きりっつーのは許せねぇな」
「……」
口を開いたのは土方だった
神月はイラッとしたように眉を歪めるが、口は開かなかった
「島原には浪士がいるからな
行くこと自体は……まぁ止めねぇが、行くなら誰かを連れてけ」
「…わかった。
……………千鶴ぅ」
「えっと…」
神月が懇願するようジッと見つめると、千鶴は一瞬迷ったように目を彷徨わせたあと
「……行ってみよう、かな?」
小さく頷いた
すると、ちょっと驚いた表情をしたあと
「よっしゃーーー!ありがとう千鶴!!!!」
「きゃっ…神月ちゃん?///」
「よかったぁぁぁ!あいつって自分の思い通りになんないとすごい機嫌悪くなるんだよ助かったよ千鶴!あいつにケンカ売られなくて済んだやったぁぁぁ!!」
千鶴に抱きついて大喜びする神月に、平助は若干悔しそう
「見張りは…そうだな、総司君と左之兄がついてきてよ」
「俺と総司?どんな人選なんだ?」
「島原で女の子をあしらうのがうまそうな2人ですよ〜」
「僕は左之さんとは違うんだけど?」
指名された2人はなんだかんだ言っても了承した
「じゃ、あとで出発だからよろしくね」
ニコニコと笑う神月はかなり機嫌だった