short story

□おまけss集
2ページ/4ページ


おまけss
(クオリティについてはあしからず…)



























―――――見つけた、」


桜の木の下で、彼女はいつもの様に眠っていた

あどけない寝顔に、僕の頬が緩んだ





「…ん」





寝返りを打つ彼女の頭を自分の膝に乗せる

いつもなら恥ずかしがってやらないだろうけど、寝てる方が悪いんだからね?









「……ねえ、愛してるよ」




ぽつりと、口から零れた。






…きっと僕は、最期まで君のそばにいられないだろう

この命が消えるのは、時間の問題だった


だけどね、










「……あとで、いっぱい寂しい思いをさせちゃうから。
今のうちに、いっぱい愛してあげるからね」















"だから、僕を許して"



そんな事を言うつもりはないけど、思ったのは確かだった



「……僕ね、最近夜が怖いんだ
眠ったら、そのまま朝が来ない気がするんだ………君に、もう会えない気がして


だからね、今こうして日向ぼっこ出来るのが、すごく嬉しいんだ」



優しく髪をすくと、くすぐったそうに身をよじる































「……ありがとう、
君のおかげで、
僕は生きていけるんだ」





























そう
羅刹である僕は、
いつか君を独りにする。
いつか君を悲しませる。

だから、今、君を精一杯愛すんだ。

君を独りにした後の分の、
無い未来の分の愛を、
今、君にあげる。


だから、泣かないで。
僕を、忘れないで。

せめて今だけは、
安らかな、眠りを――――
























「………おはよう、」























桜の木の下
僕は君を
今日も愛す。









次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ