荒野の用心棒

□今日は何の日よ?
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久しぶりにアジトに不二子がやってきた。


「不二子ぉ!
今までどこで何してたんだよ〜」

「ふふっ、いい男探し」

「えっ!?」

「とまぁ冗談はさておき」


不二子はリビングを見回した。


「あら、綾は?」

「あいつならまだベッドの中だ。
例の組織の情報を追って、帰ってきたのは朝方だったからな」


次元が言った。


「あいつに何か用か?」


それを聞いて不二子は眉を寄せ、
唇を尖らせた。


「いやぁねぇ、あなた達。
今日は何の日よ」


ルパン達はそろって答える。


「貯蓄の日」

「国産なす消費拡大の日」

「PTA週間」


お茶の間の主婦みたいな返答をする三人。


「綾の誕生日よ」


知ってるクセにと、不二子はため息をつく。


「プレゼント何が良いかと思って。
あなた達はもう用意したの?」


「いーや」


ルパンが首を振った。


「いらねーって言うから」

「バカね。プレゼントを喜ばない女なんていないわよ」


「でもなぁ。綾ちゃんはさ……」

「宝石なんてどうかしら」

「クリスティーズで男に落札させたオレンジダイヤでもくれてやるのか」

「35億で落札された、あのダイヤか!?
あのスケベジジイめ、不二子ちゃんの為だったのか!」

「天下のロナルド・ウィンストンにひどい事言うのね」

「ふんっ!」


ルパンはふてくされてそっぽを向いた。


「オレンジダイヤより、綾にはもっと可愛いものが似合うと思うけど。次元はどう思う?」

「俺が知るかよ」


次元は素っ気なく言った。


「五右エ門はどう?」

「綾はあまり物を持ちたがらん。
宝石なんぞいらんと言うに決まっている」

「そうなの?」

「彼女の部屋を覗いてみろ。驚くぞ」


言われた通り不二子は二階の綾の部屋を訪ねた。
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