長編

□2:告白
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隆からあの告白を聞いたのは確か俺らが中2の頃だったはず、夏が過ぎて少し肌寒い季節になり始めの頃だった。



その日は別にいつもとなんら変わりない時間を過ごしてて、放課後に隆と俺ん家で遊ぶ約束をしていた。
本当にいつもと変わらなかったんだ、そこまでは…
その後約束通り隆と俺ん家でゲームだの何だので遊んで喋って楽しんでた。
だけど急に隆が喋らなくなった、それを変に思って声をかけてみても反応がないからほっとくわけにもいかないし、肩に触れようとした瞬間


「…あのさっ」

バッと顔を上げて叫ぶ様に話すもんだから少し驚いてしまった。


「?…なんだよ?」

「いや、その…えっと………やっぱり何でもない。ごめん」

「…嘘だな。」

「ッ!!……何で、そう思うの?」

何でって…、そりゃ

「め、」

「?…め??」

「あぁ、お前気づいてないかもしれないけど、嘘つく時目、そらしてんだよ」

「嘘だよ!そんな、マンガみたいな単純な奴じゃないよ!!」

ふっ、自分で

「嘘じゃねぇよ、それにお前は十分単純な奴だろうが…」

…びっくりし過ぎだろ。目ひん剥いてやがる、

「それで?何か話したい事あるんじゃねぇの?」

「ぅ、それは…」

また俯きやがった。ったく、しょうがねぇな

「いいから話せ。たとえどんな内容でもちゃんと聞いてやるから。」

「…もしかしたら、この話聞いたら俺と友達でいるの嫌になるかもしれないよ?」

…何言ってんだこいつ。そんなの

「あるわけ無いだろ。お前は俺の大切なダチなんだから。ほら大丈夫だから、言ってみろ。な?」

「…うん。あのね、俺好きな人がいるんだ。」


え?

「へ、へえ?それで何でその話でお前を嫌になるんだ?」

…聞きたくない。何か嫌な予感がする、でも聞いてやらなきゃ。

「…その好きな人って、………幸輝、なんだ。」

「は?、え、幸輝って」
嘘、だろ?そんな…

「ッ!…わかってる。わかってるよ、男同士だし幸輝には彼女だっている。……それでも、好きになっちゃったんだもん。ごめん、気持ち悪いよな。ごめんな」



本当……、嫌な予感って当たるもの、なんだな。

「…そんな事ねぇよ。」
「え?…気休めなんかいらないからっ!!気持ち悪いだろ?そう思うのが普通、なんだから…」

ばかじゃねぇか?こいつ。今にも泣き出しそうな面しながら言う台詞じゃねぇだろ。
「思わねぇよ。ありふれた台詞だけど、好きになるのに性別なんか関係ないだろ」

「…っぅ、ぅぅ…………ふっ、はぁ……………ぁ、りがと」

「…たく、泣くなよ。な?大丈夫だから。はぁ、しょうがねぇなぁ。ほら、俺の胸を貸してやるから来いよ?………なんて、え?」

「ふぅっう、…ありがとう」
ぎゅっ


…本当にくるとかないだろ。まぁいいけど。








数分後

「…ありがとう。颯斗が友達で良かった」

「それはどうも。…また何かあったら聞いてやるから。遠慮しないで話せよ。」

「本当にありがとう。……今日はもう帰るね。」

「ん、わかった。そこまで送るわ」






その後は隆を送って、またいつも通りに戻ったんだ。

実際はいつも通りなんかじゃなくて、……いや、なんでもないな。とりあえず俺と隆はいつまでも“友達”のままなのは変わらない。このままずっと、な。





「と、颯斗!!」

っ!!!

「あ、やっと気づいた。授業もう終わってるよ?……ぼーっとして、調子でも悪い?」

「いや、そんなことねぇよ。大丈夫だ」

「そう?ならいいけど…、調子悪かったら言ってね?」

「あぁ、」

そんなに時間たってたんだな。気付かなかった

「あっ!そうだ、今日放課後カラオケ行こうよ!」

「ああ、いい」

「カラオケ?俺らも行きたい!な?いいだろ?」

「幸輝!俺らって?」

「決まってんじゃん。遊季とか京太だよ」

……

「遊季ちゃん…」

露骨に悲しそうな顔してんなよな。

「だ〜め。隆は俺と2人で行くんだよ、な?隆?」

「う、うん。今日は颯斗と2人で行くから、ごめんね」

「なんだよそれ〜!!ま、いいや。また今度行こうぜ。」



「…ごめん。颯斗」

「別に、気にしてねぇよ。」


本当は、幸輝といる隆を見たくない。それだけなんだけど、な…。




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