ミルク

□魔術
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あれから3年。
シンは16歳になった。
あの後、奴隷として売りに出されたシンは、貴族に買われ、今を生きている。
シンはその後、貴族に新しい服を与えられた。
奴隷のシンが着るには上等で、豪華すぎるものだった。
大抵の奴隷の身なりは裸足で、膝より下が隠れるくらいの長さのシャツ一枚だけである。
それに対しシンの服装は、片足が長くもう片足は短いデザインのズボンと長めのカーディガンで風通しがよい布製のもの。そして中には色物のシャツ。
一見から見たら貴族にしか見えないような身なりだった。
「シン!早く荷物を運ばないか!!」
「あっ、はい!!」
だが身なりはそう見えても、実際シンは奴隷なのだ。
シンはご飯を貰う代わりに労働を提供する。
ただし、朝から晩まで働いて大きなかごの半分いくかいかないかの林檎を貰うだけ。
しかも2日に1回のペースで。
「はぁ・・・あっつ・・・。」
シンは額に滲んだ汗を拭った。
気温は例年より高い。
黙って立っているだけで汗が滲んでくる。
「あっ、荷物荷物。」
シンは仕事が途中だと思い出し、荷物を手に馬車へ運んだ。
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