となりの怪物くん

□初めての××
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「っ……」


「…はい、お茶でよかった?」


「よ、よいです…!」


あたしは今、心臓が身体中を走り回ってるような異常な状態に陥っている。

ここは賢二くんの部屋…
これはまさか…おうちデートってヤツですか!?

もっぱら恋愛初心者なあたしはこんなシチュエーションでさえ初めてなわけで。隣にいるだけでも緊張するのに、周りに誰もいない空間で二人だなんてやばいです、主に心臓が。


「よいです…って…、そんな緊張すんなよ」


ふっ…と笑う賢二くん。


「だって…〜っ…」


これは自然現象だもん!
ポーカーフェイスを装うなんてあたしには難技だ…。


「…ほら、肩の力抜け」


肩凝るぞ、なんて続けてあたしの肩を抱く。
一瞬ビクッ!と強ばったけど、それに加えて頭を撫でられたらだんだん力が抜けてきた。


「…つーか髪、それ自分でやったの?」


1時間かけて慣れない編み込みを両サイドにしたナチュラルスタイル。家出る直前までちゃんとチェックしたから崩れてることはないと思うんだけど…


「そうだけど…あ!もしかして変!?」


「そんなわけない、すげぇなこれ…」


よ、よかった…。
賢二くんは三つ編みの部分を指でなぞって心底感心してくれたようだ。


「三つ編みとやり方似てるんだよ。」


「へぇ…、似合ってる」


そう言って微笑むとあたしの髪にキスを落とした。


「っ!!…ぁ…ありがと…っ」


ちなみに、付き合ってから1ヶ月経ちました。
おうちデートはこれが初めてで、キスはまだしてないし勿論それ以上のことは全然…っ!


…と思ってたんだけど…。



この一日で大人の階段上っちゃうなんて思ってもなかった。
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