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□あなたのことを深く愛せるかしら
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出勤前の少しの時間には、職場であるレストランのすぐ傍にある図書館に足を運ぶ。それがいつからかの日課となっていた
そしてこの日も例外ではなく足を向けた
市立のお堅い施設らしく禁煙だと言うから、鼻にツンと通るガムを噛んですっかり身に染み着いたニコチン中毒を紛らわす
こういう場所に煙草嗜好者は肩身が狭く、長居をせずに目的の資料が見つかれば借り持ち帰るのが主だ
いつものように物色のために椅子に腰掛けてパラパラと本をめくっているとふと目に入った目の前のドア
なんの変哲も無い、見慣れたドアがこの日は何故か無性に目に付いた
そしてこれは錯覚だろうか、自分の目にはそのドアがキラキラと光り輝くように映るのだ。目をこすってみてもやはり、キラキラチカチカ眩しかった