parallel

□あなたのことを深く愛せるかしら
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思い込みの力か否か、この平凡な扉が何か運命掛かったものに思えて仕方がなく、少しすると、その思い込みは自分の中で確信へと変わっていた

運命だなんていう言葉、数多使ってきた。その度確かに感じていた。しかし、運命だと思っていた恋にも必ず終わりは来て、終わりがくる度、運命と呼べるものではなかったのだと悟らせた

だけれどどうやら今回は少し違うらしい。これまでにない周波をビリビリと感じている

これを御告げと言わず何と言おう

あのドアを初めにくぐった子と、俺は一生をかけた恋をする

そう。次にあのドアから入って来さえすれば、例え猛獣のような風貌をしていようとも、例えちょっぴり厳つめな彼女でも、どんな子でも全力で愛すと決めた

ただ、勿論、どんな子でも愛すが

「…願わくば可愛い子で…」

そう願いながら手を合わせたと同時

開いたドアの隙間から、細く光が差した

 
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