海賊
□裏腹(Z×S←A)
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「キッカケ、ねェ」
キッチンに立ちくわえた煙草をヒョコヒョコと揺らす
GM号
夜のキッチン
そこにはいつものようにキッチンの主であるサンジと、エースの姿
あの日以来、剣士とコックの関係を知って以来エースが夜、この場所へと訪れる回数は増えていった
表向きは相談役として
サンジも二人の関係を知る希少な人間だからか、話をする回数が増えたためか、あるいは知られてしまったヤケクソからかごくたまにエースとそういう話をするようになった
「なんだったかナァ」
ジュッと音を立て重そうな鍋を細い腕は軽々と返す
「コック君から誘ったとか」
頬杖をつきニカ、と白い歯を見せて笑う
無邪気なようでそうでない笑顔
「………誰が誘うかよ…」
お前の中で俺はどういう人間なんだと、エースの阿呆な想像にデカいため息をつく
しかし悪びれないエースは話を続けた
「コック君がちっとソノ気になりゃ男の一人や二人軽くオトせそうだけどねェ」
サンジの肩がガク、と落ちる