捧物小説
□説教くさっ
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歩きながら寝てしまいそうだ。
スティングは欠伸を噛み殺し、それが発覚していないか、涙目で隣を確認する。
木星までは辿り着かないだろうが、成層圏に手が届くまでにプライドの高いアウルは、そういう所のツッコミが激しいからだ。
話題に関係の無い溜息1つも、明確な言い訳が必要になって来る為、仕方なくスティングは、軽く息を吸って頭を掻いた。
「―――ていうか、マジで自分勝手って感じだよね?少しは気付けってーの」
(あ〜これで一通り終わったのか〜?いや…)
自分の分がまだだ。
ステラを筆頭に、整備班からブリッジクルー、果てはイアン・リーやネオに対する悪口や不満を言い切ったアウルの隣で、
他の奴の前だと、漏れなく自分の悪口も言われているんだろうな〜と、スティングは虚しさを感じずにはいられなかった。
(そろそろ俺も慣れてもいいくらいだけどさぁ…)