Short novel
□片恋センチメンタル
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【片恋センチメンタル】
気付かないでしょう、
あなたは。
僕の気持ちなんて、
きっと、
ずっと、
知る事はないでしょう。
ねぇ?
僕が学級委員長を自ら進んで続ける理由、が、
あなたに有る、
だなんて。
きっと、僕の事、自発的でしっかり者で、冷静な子供だ、
なんて
お思いなんでしょうけど。
いいえ、お思いなんですよね。
成績表の、親に宛てた一言欄に、いつもあなたが、美しい崩し文字でしたためる言葉は、
「クラスのまとめ役で、しっかり者、冷静に物事を判断できる子です」
だもの。
…あなたが褒めてくれるのは本当に嬉しいのだけど。
僕はそんなに「良い子」じゃない。
しっかり者でいるのは、
あなたに褒めて貰うため。
冷静なフリをしているのは、大人のあなたに、少しでも釣り合いたいから。
学級委員長を続けるのも、「担任」と、一番接点が多そうだから。
全てが計算づくで、あなたの気を引くため、だなんて事
…知ったらどんな顔するかな。
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