あなたの重荷を少しでも軽く出来たら…


[frown]
黒崎一護


昼休み、屋上でいつもの様に一護とお昼を食べている時。

地面にぺたりとお尻を付け、肩が触れ合う程の距離で彼を見上げる。


「ねぇ、一護。」

「ん?なんだ?」


そっと彼の眉間へ手を伸ばす。


「おわっ!!いきなり何だよっ?!」

勢い良く体を後ろへと仰け反らせ、私と距離を取る。

私はズイッと一護へ近付き、その眉間に触れる。


「ココ。いつも皺寄せて、疲れないの?」

「あ?…あぁ。癖だからな。」

「ふーん…。」


そっと眉間の皺をなぞってみる。


「ちょっ!ヤメロって!!なんなんだよ。ったく…。」


益々眉間の皺が濃くなる。


「どうしたらその皺が無くなるのかなって思って…。」

「…なんで?」

「だって…一護っていつも眉間に皺寄せて、気を張ってるみたいだから。私といる時くらい、力抜いてくれたらいいのにって…。」


その皺は、彼の背負っているものを表しているようで…

「んな事言われてもな…。」

「私は一護にとって、一緒にいて一番安心出来る存在になりたいの。」

「………。」

「私じゃ…無理かな。(苦笑)ごめん。気にしないで。」
私は、先に教室行ってるね、と言い立ち上がる。



「おいっ!!ちょっと待てよ。」



その声に足を止め、振り返る。


「…何?」

「いいから。こっち来い。」



手招く一護の方へと歩み寄る。




「きゃっ!!」


グイッと腕を引っ張られ、彼の上に座る形になってしまう。



「あっ!!ごめんっ!!…いち……ご?」



強く抱き締められる。


「確かに、お前といる時は、いつも以上に力が入っちまってるかもしれねぇ…。でも、それは……。」

「それは……何?」

「お前の事、絶対に護る。って決めてるからなんだ。…お前が好きだから……だから、お前といると安心もするし………だぁっ!!ダメだっ!!やっぱ…恥ずかしいっ!!」


一護はそう言うと、私の胸に顔をうずめた。


「私も、一護が好き。だから、一護の重荷になるのは嫌なの。」


彼はそっと顔を上げ、真っ直ぐにこちらを見る。


「んな事考えてたのかよ…心配すんな。お前は俺の重荷なんかじゃねーよ。」


私は、彼の眉間へ口付ける。


そっと唇を離すと、その皺は無くなっていた。



「お前には敵わねぇな。」



そして、深く甘い口付けを交わすのだった…。






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