拍手連載文・No.4
「ぱっぁぱっ!」
それは、たまたまの言葉のようにも聞き取れたが、カカシに目を向けて声は発せられた。パアッと目を輝かせて笑顔も見せるその顔は無邪気そのものだった。
「へっ?!」
自身に向けられて発せられたのだとカカシも認識したらしく、困惑の声を漏らす。カガミは、赤子とカカシの表情を交互に確認しながら「パパって言いましたよ?!」と発言する。
「いや、まて!本当に分からないから!」
カカシはここで認めるような発言をしてはならないと、慎重になりながらそう答えるが、慎重にならなくても知らないが事実じゃないだろうかとアヤフヤな自分を抱える。
それくらいに、その赤子はカカシに似ていたのだ。
「マッ!んま!」
その赤子は、フニャフニャと笑顔を見せながら次にそう発した。その言葉はカガミに視点を移しているように見えた。カカシは隣にいるカガミに「えっ?!ナニ?あの子、何を言った?!」と尋ねる。カカシには「ママ」と言ったように聞こえた。
「マンマ・・・、ごはんですね!お腹空いているんじゃないですか?!」
カガミは首を傾げてから、あっ!そうか!とばかりにそう言った。その話し方には不自然さは無かった。
「急いで、おむつとミルクを調達します!」
そうカガミは言ってから、ベッドに近づいてその子を抱き上げた。キャキャッとその赤ん坊は嬉しそうに笑った。カガミの肩に頬をのせて、赤ん坊は甘えるような仕草も見せる。
カカシは人見知りみたいなものはまだなのだろうか?と思いながら、リビングへと向かうカガミについて部屋を出た。
自宅周辺で警備をしている者に、調達物を伝えるとカガミは、ダイニングテーブルに座るカカシに赤子を渡した。カカシはその子を抱くと微かにチャクラを感じた。それは、違和感を持つものだった。
「六代目、食事を直ぐにご用意しますね。」
カガミはそう言って用意を始める。その時、赤ん坊はカカシに抱かれながらもカガミの姿を目で追いながら喃語を言っているのはカカシには気になった。
だが、カガミとは火影になる前からも頻繁に顔を会わせる上忍仲間であったのだから、妊娠をしていた事実が無いことはハッキリと分かることだった。
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まとめた物はコチラ
パパは六代目火影
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