odai*boco

□04.叫ぶ
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「どうした、眠れねェの?」




ベッドの端に腰掛けてぼんやりと窓の外を眺めていた。少しずつ白んできた空、光る星達はとうにかき消されて。二羽の鳥が飛んでいくのが、窓枠近くから見てとれた。
声の後に、毛布から手が延びあたしの指をそっと触る。温もりが伝わる、いつの間にかあたしの身体は冷え切っていたようだ。





「早起きしただけよ」

「そうか、じゃあこっち来いよ。寒いだろう」



触れていた指を今度は絡めてくる。手を引こうとしたようだが、あたしはそれをやんわりと拒んだ。
離れる手と手。少し距離ができた手は、どうしたらいいものか思案中といった感じで動きを止めている。




「……どうかした」

「ティキ」

「……ん」



何があったか聞かれているのに、返事もせず彼の名前を呼んだ。彼は優しいから、あえて再度は聞いてこない。
心配にはなったようで、顔を隠していた毛布を押しやる。直視してくる線は、刺さるような感覚に陥る。痛いくらい。
でも揺るがない。



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