テニスの王子様

□太陽のような君
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先輩は俺にはないものをたくさん持ってるから

だから先輩の笑顔が、先輩の全てが眩しすぎて直視できない

先輩と俺は違いすぎるから…




太陽のような君





「か〜いどっ!!」
部室で着替えていると、ドスッと何かが俺の背中にのしかかってきた。 「うわっ!?」
あまりの衝撃に前に倒れそうになったが、なんとか堪えることができた。
こんなことを突然してくるのは一人しかいない。
「菊丸先輩…」
背中の方を振り向くと案の定、にこにこした先輩の顔があった。

トクンッ

俺は急に熱が顔中に集まるのを感じ、強引に先輩を背中から引き剥がすと急いで部室から出て行った。



最近、俺はおかしい。
以前までは菊丸先輩が抱きついてきても何ともなかったのに…
今では先輩の笑顔を見るだけで
先輩の声を聞くだけで
心臓が壊れたように鳴りだして
何も考えられなくなる

そんな自分が恥ずかしくて、俺はいつも先輩の前から逃げ出してしまう。
本当は桃城や他の先輩達みたいに普通に話したりしたいのに…
先輩の笑顔眩しすぎて、俺は遠くからそれを見ていることしかできない。
本当に情けないと自分でも思う。




「ふしゅぅ」と俺特有のため息をつくと、俺はまだ熱い顔とうるさい心臓を落ち着かせるために木陰に座りこんだ。




しばらくぼーっとしていると
「あんれぇ?海堂、今日は自主トレしにゃいの?」
急に菊丸先輩が覗きこんできたので、俺はビックリして「い、今からしてきますっ!」と言って走り出そうとすると、手首を掴まれてそれは阻止されてしまった。
「待って!俺、海堂に言いたいことがあるんだ!だから、ちょっと来て?」
゛え?″と思い先輩の顔を見ると先輩はとても真剣な顔をしていて、俺は黙って先輩について行くしかなかった。





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