テニスの王子様
□守ってあげたい
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部活が終わると、俺は急いで家へと向かった。
今日はあいつに久しぶりに会える。
他校のうえに両校ともテニスの強豪校なため、練習が重なり、なかなか会えない日が続いたが、今週の土、日は両校とも偶然に部活が休みなため、金曜日の今日からあいつがうちに泊まりに来るのだ。
家へと向かう俺の口元は勝手に緩んでしまう。
漸く家に着き、「ただいま」と玄関に入ると、もう見慣れた靴が行儀よく揃えられていた。
俺の発した声に気付いたらしい母さんが顔を出した。
「おかえり、薫くんもう来てるわよ」
と笑顔で二階を指差す。
母さんはえらくあいつを気に入っている。
そして、俺達の関係に何となく気付いているような気がしてならない。
俺は「知ってる」とだけ返事をし、自室がある二階へ向かった。
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