テニスの王子様

□太陽のような君
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先輩が俺を連れて来たのは、普段は誰も来ない体育倉庫裏。
着くと先輩はやっと俺の手首を放してくれた。
「あのさ、海堂は迷惑かもしんにゃいけど、俺……
ずっと海堂が好きだったんだ」


え?
今、先輩は何て言った?

「…え?」
「ちょっとぉ!!海堂ちゃんと聞いてた?俺の一世一代の告白を!!」 先輩は俺の肩を掴んでブンブンと振ってきた。
「ちょっ…!?ぃえ、あの……告…‥白…?」
「そぉ!愛の告・白!!そりゃあ、男同士だしさぁ、海堂、俺のこと嫌いかもしれにゃいけど…」
「ち、違います!俺、先輩のこと嫌いなんかじゃ…」
「え?でも、海堂最近俺のこと避けてるよね…」

ズキンッ

そう言う先輩はとても悲しそうな、普段はめったにしない表情をしていた。
なぜか心臓が今までにないくらい痛かった。

「あ、あれは…その、先輩の顔見るだけで…なんか、頭ん中真っ白になって、何も考えられなくて…胸が苦…しくて…///」
俺の心臓は今まで以上にバクバクいって、顔中が熱かった。
俺はすごく恥ずかしくて下を向いた。
「海堂、それって…海堂も俺のことが好き、ってこと?」
「へ?」
俺は先輩の言ってる意味がよくわからなくて顔をあげた。
すると、目の前には先輩のあの眩しい笑顔があって、 俺は堪らなくて顔を逸らそうとした…瞬間、先輩に顔を両手で挟まれてそれは叶わなかった。
「させにゃいよ。ねぇ、海堂も俺のこと好きなんだよね?俺に恋してるんだよね?」

恋…?
俺が先輩に?
そうか、このわけのわからない気持ちは先輩に、先輩の笑顔に恋してるから…
俺は…先輩のことが…‥


「‥好き…かも…しれない‥です//」
そう言う俺の声はとても小さく、顔なんか耳まで真っ赤なんだろう…
でも、先輩にはちゃんと聞こえてたみたいで。
「んも〜う!!海堂大好き〜!!!」
「ぅわあっ!」
先輩はおもいっきり俺に抱きついてきた。
「ぁ、あのっ!部活もう、始まるっすよ?」
「え〜!?いいじゃん。俺、もう少しこうしてた〜い!」
「なっ!?だめっすよ、部長に叱られます」
「ちぇ〜」
本当は俺も先輩と同じ気持ちだったけど、やっぱり部活に遅れるのはよくないので、先輩の手をとってテニスコートの方へ走り出した。




いつかはちゃんと見れるといいな
あの太陽のような笑顔を…


END
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